人気ブログランキング | 話題のタグを見る

告知から丸14年

夫がALSの告知を受けたのは、14年前の今日(7月31日)でした。
その朝は、小学校6年生だった息子が、夏休みでラジオ体操があり、私も役員をしていたので、二人で出かけました。
夫は、その間に犬の散歩に行き、途中で夫と会い、三人と愛犬で揃って家に帰宅した光景を思い出します。
どこにでもある全く普通の朝でした。
しかし、その数時間後には、ALSの告知を受け、すべてが悲しみに変わってしまいました。
夫の場合は、告知が早く、本人は体の異変や不調があったと思いますが、表面的には、病気の症状はほとんど出ていませんでした。
でも不思議なもので、告知後は驚くほど病気の進行が早かったです。
何が何だかわからないまま、病状は進行するばかりで、夫の精神的な苦痛や葛藤は、計り知れないものがあったと思います。
これから私が、夫や息子の前では、出来るだけ明るく頑張らなくてはと自分に言い聞かせつつ、一人になれば、これまでの普通の生活が、どんなに幸せだったかと思うほど、ますます現実が厳しくなり、先への大きな不安で押しつぶされそうでした。
会社退職の時、気管切開や胃瘻造設、人工呼吸器装着等、節目節目を思い出します。
延命はしないという夫に、「どんな姿になっても生きていてほしい」と延命を勧めました。
夫は、悩み苦しんだ末、胃瘻と気管切開を決断しましたが、動けなく、食べられなく、声も失った夫は、想像以上の苦しい日々でした。
ALSの介護は、同じ体位が苦痛で、体中すべての位置を再三調節しなければならず、吸引などもあり、昼夜問わずの介護に、私も睡眠不足が続き、心に余裕もなくなりました。
しかし、徐々に気持ちは移り変わりました。それは、時間の経過と多くの方々との出会いのお蔭です。
「人生に無駄なし」というように、いっぱい泣いた分だけ、ちょこっと強くなれ、ちょこっと優しくなれました。
夫が元気だった生活が記憶に新しいころには、考えられなかったですが、今は、夫が病気でも平穏に過ごせ、多くの方とのご縁ができ、真の幸せの意味がわかってきた気がします。私たちを支えてくださっているすべての方に改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
by fukuroumama | 2015-07-31 16:49 | ALS | Comments(0)

夫のALS告知から20 年目!


by fukuroumama